ごあいさつ
理事長 魯林(ろ りん)
信男教育学園は、2010年中国を代表する国際都市上海に「将来国際社会で活躍し世界に貢献するエリートを育成する」を教育目標に掲げ、文来高校国際部日本コースとして創立されました。生徒は毎年、100%と言えるほどのビザ取得率及び進学率を達成して北海道から九州の姉妹校に留学し、姉妹校での高校生生活を経て、希望する大学に進学しています。
本学園では、日本の大学への進学を希望する生徒の進路目標を達成するため、日本のカリキュラムに基づく日本人教師よる授業を行なうとともに、掃除の励行、躾け徹底など道徳心の涵養に努め、人間教育を主とした「日本流の学校づくり」を進めています。
本学園の特色の一つに、日本への「修学旅行」があります。「修学旅行」は本学園の必須科目であり、毎年北海道から九州各地の姉妹校を訪問し、心温まる交流を行っています。修学旅行は見聞を広めるだけでなく、交流をとおして多くの出会いと感動が生まれ、日本への留学を目指す生徒にとって素晴らしい体験となっています。
本学園では今後も「国際的視野に立つ新時代のエリートの育成」を教育理念として、生徒一人ひとりの個性と能力をふまえた教育方法の創造に努め、生徒たちが知恵と勇気をもって自らの夢の実現に挑戦し、世界を舞台として活躍することができますよう尽力して参ります。
文来高校国際部中日班 校長 園部 寿美子
上海で生活して痛感するのは変化のスピードが速い事です。そのため綿密な計画を立てて計画通りに実行していく日本とは異なり、日々変化する状況に臨機応変に対応していく適応力が重要になります。グローバル化が進む中、多くの情報を整理し、異なる文化を持つ人達と一緒に行動していくためには、やはり若い頃に、異文化の中で生活する経験が重要になると感じます。
本高校は、上海で2年間学習した後、日本の姉妹校(提携校)に編入し、日本の大学を目指します。本校の生徒は、日本語の修得以外、日本の有名大学に進学するという目標を持っているため、中国教育部門で規定された課程と同時に、日本の高校で規定された課程も履修します。日本語科のカリキュラムに沿って学習を進め、1年修了時には、多くの生徒が日本の教育内容を日本語で理解する語学力を身に付けます。さらに、中国の「高校卒業認定」に合格すれば、上海文来高校の卒業資格と同時に、日本の姉妹校卒業資格を取得することができます。
本校の大きな特徴は、日本の高校に進学させることを最終目標としていないことです。「人間教育」に力を入れ、国際的な舞台で活躍できる人材の育成を目指しています。1年次から日本語教育のみならず、日本の文化・習慣・礼儀作法に至るまで、「日本」を理解するために中日の教員が協力して教育活動を推進しています。日本の生活に適応するために、日々の授業・委員会活動・清掃活動・行事やHR運営などさまざまな場面を通して、日本独特の生活習慣を定着させるとともに、主体性・協調性・他を思いやる心・リーダーシップを養っていきます。2年次には修学旅行で日本の姉妹校を訪問し、姉妹校の生徒達との交流を通じて「日本」との絆を深めます。
現在、日本では学力のみでなく、総合的な人間力を評価する入試改革・教育改革が進められていますが、単に高点数を取ることだけでなく、生徒の多面的な総合力を重視し、評価に繋げるための改革です。そのためには、本校の生徒のように日本の文化や習慣への関心が高く、日本人が苦手とするグローバル思考や自己表現力の高い留学生を受け入れることは大変重要になると感じます。日本では多様性の受容が大きな課題となっており、人口減少の影響からも、今後留学生の受け入れ人数は益々増加することが予想されます。
しかしながら、日本の文化・習慣は独特で、大学入試システムも複雑です。そのため本校では、1人1人の生徒に適した大学入試方式を選択するために姉妹校と連携し、留学生活及び大学進学をサポートしています。 創立10周年を迎える本校の教育をさらに発展させ、日本を目指す生徒達を応援していきたいと考えております。また、本校修了生には、日本留学を経て高い総合力を身に付け、将来は国際社会で活躍し世界に貢献できる人材になってほしいと願っています。