作者: 武本優一 先生
文化の違いに触れ、背景が異なる友人と寝食を共にして友人関係や視野を広げていくことだと思う。信男学園の生徒の多くは卒業後は日本の姉妹校に留学し日本の文化と友人と共に生活をしていく。恐らく中国から日本に留学する人の多くは日本に行った時、人間関係で失敗してしまうのではないかと思う。それは、中国と日本の文化の差にあると私は考える。
上記の図のように、日本には歴史的に島国であった背景から明文化されるようなルールは少ない。しかし、マナーや暗黙の了解というような明文化されていないルールがある。島国で村社会である日本の文化のうちの1つである。留学した際には留学生が村の中で生活するためには、その暗黙の了解を守らなくてはいけない。
暗黙の了解を守ることができないと、留学の醍醐味である背景が異なる友人との交流がしずらくなり、自分の視野を広げるチャンスを失うことにもなり得る。せっかく留学をして他国と自国を比べて自国と他国をより知ることができるのに、人間関係で躓いてしまうのは非常にもったいない。
信男教育では日本にある暗黙の了解を学校のルールとして定めて2年間生活することにより、日本に留学した際に人間関係で悩まないような仕組みがある。
今回はその内の1つを紹介しようと思う。
・教科書は机の中に片づけて、床に物を置かない。・
他国が日本の学校の特徴としてよく他国が挙げるのが、生徒が学校の掃除をすることである。日本の学校には掃除員はいない。学校の中は全て生徒が掃除をする。毎日欠かさず掃除をする。これは常に自分の身の回りを清潔に保つ習慣を身に着けさせるための「ルール」である。
この「ルール」をスムーズに実行するために日本ではいくつかの暗黙の了解(マナー)がある。その内の1つが教科書は机の中に片づけて、床に物は置かないということである。机にも床にも物が無ければ掃除の際に毎回、机を移動させやすくなる。掃除当番の生徒が掃除をしやすくするための思いやりがそこにはある。
信男教育では日本に留学した際に馴染みやすいようにマナーをルールとしている。さらにルールをルールだから従いなさいというような指導ではなく、理由も理解した上で指導をしている。